「遺品で譲り受けたデジタルカメラの中に故人が撮影した写真が残っていた。
遺族に写真を差し上げたいから良いのをプリントして欲しい」
そんな依頼でメモリーカードをお預かりしました。
800カット位の画像が入っておりました。
画像を選ぶ作業は慣れているので、良い画像を直感で選択。
飼っているペット。
お気に入りのホビー。
近所のお祭り。
周囲の四季を感じる風景。
建築中の大型ビルが立ち上がる様子。
家族、親類を見つめるスナップ。
修復中の自宅。
大雨が降った庭の様子。
それらを淡々と、踏み込まずに撮影している写真。
箇条書きのメモのように。
劇的なシーンは無いし、何も起こらない写真。
日常の中の日常、みたいな。
しかし、
画像を何度か見ていると何となく気持ちの移ろいとか、
その人の気持ちの状態とかが分かるような気がしてきます。
そして、
その方がが残したかったこと、伝えたかったこと。
私の選んだ写真から少しでも汲み取れればと思いました。